尊敬する人

ナースとして日々頑張っていて気になっていること、それは夜勤明けにいつも感じるあの高揚感。
体は最高に疲れているのにハイテンションなのかよくわからないあの感覚・・・なんなんでしょうね。
夜勤業務は眠くてきついし見回りが怖いしであまり好きじゃないんですけど、あのぼんやりとした不思議な感覚は嫌いじゃないんですよね。
関連サイトはこちら(24hour-nursecannotsleep.biz)

それはさておき。自分がナースだからってわけじゃないですが、もし尊敬する人は誰かと聞かれたらやっぱりナイチンゲールだと思います。
ナイチンゲールを知らない人はいないと思いますが、一応説明しますと、近代看護の基礎を築いたと言われる人です。
彼女は19世紀のクリミア戦争の時に看護婦として怪我人の看護にあたりました。
彼女のスゴイところはただ頑張って怪我人の世話をしただけではなく、それまでの看護のやり方を根底から改革したことです。
それまではただ何となくやっていた怪我人の世話をナイチンゲールはちゃんと理論立てをして考えました。
一応、看護も一つの科学なので「理論」があるんです。
ナイチンゲールの看護理論の他にもセルフケアとかいろいろありますが、ナイチンゲールの理論をものすごく簡単に言うと、

①患者を清潔な場所に置くこと
②病室の採光や風通しをよくしておくこと
③室内の温度も適温にして患者が気持ちよくいられるようにすること

という感じです。

当たり前のことだと思われたかもしれませんが、その「当たり前」が当たり前じゃなかった時代にそれをやったことが彼女のすごいところだと思うのです。
ナイチンゲールはエジソンやアインシュタインみたいに、それまでなかった新しいものを造りだしたわけではありませんが、よく考えれば当たり前のことを当たり前だと気づかせるという非常に重要なことをやってのけた人物なのです。

ちなみに、それまでの看護はどうだったのかというと、患者を汚い部屋に押し込めたり包帯も何日もそのままだったりと、そもそもの衛生観念がなっていませんでした。
これは病院だけではなく街中や普通の家でもそうだったようです。
しかも、当時の看護師というのはただのお手伝いさんみたいなもので、特に医療の知識があったわけでもなく、はっきり言ってレベルの低い仕事だったと言われています。
ナイチンゲール自身は割といいとこのお嬢さんだったようですが、一説によると「苦しんでいる人を助けなさい」みたいな神の啓示を受けて看護師になろうと思ったのだとか。
この真相がどうなのかは本人にしかわからないことですけどね。

自分が仕事をしている時、何となく「患者さんを治してあげている」という気になったり、ふと患者さんの立場に立てていないように思ったりすることがあります。
ナイチンゲールの理論からすると、看護師は「患者さんの回復を助ける」のが仕事で、患者さんが自分で回復していけるような環境を作ってあげることが大事なんです。
そのことを心に留めたい気持ちはあるのですが、忙しくてとにかく流れ作業で済ませていたり、小さなことは「仕方ないか」と通りすぎてしまったりすることも結構あります。
そんな時にふとナイチンゲールのことを思い出すと、やっぱり先人は偉大だなと感じさせられます。